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2020年9月7日

 PCオーディオ用のスピーカー、ボロボロのSONY SRS-Z750(7.5W×2)とアンプ部分が故障したONKYO GX-D90(15W×2)の置き換えの為、DC12Vで動作する安価な中華デジタルアンプと小型スピーカーを2セット購入。
 結果、2セット8千円弱の出費で、コンパクトで省電力ながら、同等以上の音量と音質を得られました。

1.中華デジタルアンプ
 1台目のアンプは、Amazon.jpで扱っている製品の中から、割高感はありましたが、ZK-1002を選択。
メーカー 製品名 デジタルアンプIC 最大出力BluetoothUSB価格
(送料込み)
備考
FX-AUDIO- FX202A/FX-36A PRO STマイクロ TDA7492PE 48W×2 × × 4,340円
Lepy LP-2024A+ Tripath TAA2008 20W×2 × × 2,899円プリアンプにオペアンプICを
使った2段階増幅
12V5A ACアダプター付属
ELEGIANT F900S TI TPA3116D2 50W×2 5.0Micro-B3,188円12V5A ACアダプター付属
(◇PSE非対応品)
Wuzhi AUDIO ZK-1002 TI TPA3116D2×2 100W×25.0× 2,298円2021年5月現在2,098円に値下げ
Wuzhi AUDIO ZK-502C(with shell) TI TPA3116D2 50W×2 5.0× 1,570円2021年5月現在1,690円に値上げ

 2台目のアンプは、Banggood.cnで扱っている同社製品の中から一番安価なZK-502Cを購入。一か月後にZK-1002に交換。
メーカー 製品名 デジタルアンプIC 最大出力 BluetoothUSB備考
Wuzhi AUDIO ZK-1002 TI TPA3116D2×2100W×25.0 × パラレルBTL接続、高性能なフィルタ回路
ZK-TB21 TI TPA3116D2×250W×2+100WZK-502C+トーンコントロール
+サブウーファー出力
ZK-502T TI TPA3116D250W×2ZK-502C+トーンコントロール
ZK-502C(with shell) TI TPA3116D250W×2標準的なフィルタ回路
ZK-502A オリジナルチップ50W×2Type-A簡易的なフィルタ回路

ブランド名 Wuzhi Audio
製品名 ZK-502C HiFi (with shell) ZK-1002 HiFi
製品写真
回路構成 TI社TPA3116D2をステレオ(BTL)モードで使用し、最大50W×2ch出力。
電源入力の安定化に35V470uFの小型電解コンデンサ2個、出力段に10uHのインダクタとセラミックコンデンサを各4個使用(以上全て表面実装)した、リファレンス通りのフィルタ回路を採用。
TI社TPA3116D2をモノラル(パラレルBTL)モードで2個使用し、最大100W×2ch出力まで拡張。
電源入力の安定化に35V470uFの電解コンデンサ5個、出力段にトロイダルコイル(インダクタ)と63V680nFのフィルムコンデンサを各4個使用(以上全てスルーホール実装)した、高性能なフィルタ回路を採用。
入出力仕様 ・Bluetooth 5.0対応
・φ3.5mm AUX入力
・DCプラグ:内径φ2.1mm, 外径φ5.5mm

<以下、TI社TPA3116D2のデータシートより>
・動作電圧:DC 4.5V〜26V
・最大出力:DC 14.4V入力時25W×2(4Ω), DC 21V入力時50W×2(4Ω)

※重低音を大音量で再生すると、上記の1.5倍程度の電流が流れます。電源に電流制限機能が無い場合は、電源を破損するので注意。
※Banggood.cnの商品説明では、パラレルBTL接続のZK-1002は、BTL接続のZK-502Cと比べ、同じ入力電圧で2倍の最大出力となっていますが、 アンプ回路を並列に接続しても、出力電圧は上がらず、回路の内部抵抗による電圧降下が半減するだけです。
本体サイズ W50×D82×H18mm W52×D84×H24mm
ヒートシンクサイズ W20×D14.5×H5.6mm W36×D25×H10mm
重量 111g 130g
レビュー やや硬いキンキンとした音質。

TPA3116D2用の放熱両面テープ付の小型のヒートシンクを自分で貼り付けます。 放熱性は悪く、DC 18V以上の入力では、無音状態でもボード全体が暖かくなっている感じです。 4Ω〜6Ωスピーカーを大出力で駆動する場合、上部カバーは外した方が良いでしょう。
良い音質。

TPA3116D2チップ2個を覆う大型のヒートリンクがネジ止めされてあり、放熱は問題ありません。
ボリューム増減でザラザラしたノイズが出ます。Bluetooth接続と遅延は問題なし。
ボリュームSWによる電源OFFではBluetooth接続は維持されます。スマホ側でBluetooth接続を解除すると、AUX入力に切り替わります。
待機電流は、入力DC 5〜18.5Vの範囲で60〜80mA(0.3W〜1.5W)。

2.TPA3116D2の実用出力と電力損失
 TI社TPA3116D2のデータシートより、実用出力と電力損失(発熱)を読み取ります。
実用出力電力損失
パラレルBTL接続BTL接続BTL接続
入力出力
※BTL接続(8Ω)時の
出力の2倍で計算

※パラレルBTL接続(3Ω)時の
出力の1/2で計算
*Fig.16*Fig.15
DC 12V上限 15W×2*Fig.9 13W×2*Fig.7 9.5W×2 7.5W×2*Fig,9 (13W/89%-13W)×2
=約3.2W
(7.5W/91%-7.5W)×2
=約1.5W
DC 24V 13W×2---- (13W/83%-13W)×2
=約5.3W
(13W/87%-13W)×2
=約3.9W
25W×2---- (25W/87%-25W)×2
=約7.5W
(25W/90%-25W)×2
=約5.5W
上限 60W×2*Fig.10 55W×2*Fig.8 40W×2*Fig.25 30W×2*Fig.10 (55W/88.5%-55W)×2
=約14W
(30W/91%-30W)×2
=約6.0W

 入力電圧の変化では出力は変わらず、入力電圧が高いほど消費電流は減少しますが、電力効率が落ちる分、ヒートシンクの発熱は増えます。 そして、入電圧の2乗に比例した実用出力の上限を超えると、出力波形の上下がカットされて、音割れが発生、歪み率(THD+N)が急激に上昇します。

TI社TPA3116D2データシートより抜粋

Fig.14 最大出力 vs 電圧 (4Ω)

Fig.13 最大出力 vs 電圧 (8Ω)

Fig.26 最大出力 vs 電圧 (PBTL)(3Ω)

Fig.7 歪み率 vs 出力 (12V)(4Ω)

Fig.9 歪み率 vs 出力 (12V)(8Ω)

Fig.2 歪み率 vs 周波数 (12V)(4Ω)

Fig.16 電力効率 vs 出力 (4Ω)

Fig.15 電力効率 vs 出力 (8Ω)

3.ACアダプター
 DC 12V電源かつパラレルBTL接続で、 4Ωスピーカー×2本を実用出力15W×2で駆動するには、電力損失約10%、待機電力1Wと合わせ、3.0Aの電流が必要。 6Ωスピーカー×2本を実用出力10W×2で駆動するには、電力損失約10%、待機電力1Wと合わせ、2.0Aの電流が必要。
 そこで、Buffaloの無線LANルーターWZR-600/900シリーズを買い換えて、余ったWA-36A12U(DC 12V3A)を流用する事にした。 このルーター、大柄で電気食いなのに、11ac非対応。MODEボタンの使い勝手も悪く、 中古品がヤフオクで送料含めて600円前後で大量放出されていたので、更に1個追加購入してACアダプターを抜き取り。
・WA-36A12U(DC 12V3A):WZR-900DHP,600DHP2,900DHP2,600DHP3,S900DHP,S600DHP(2013/3〜2014/8発売)に付属
・WA-24Q12FU(DC 12V2A):WXR-1750DHP2(2017/4発売)に付属

電源と出力
電源電圧必要電流
(4Ω)
実用出力
(4Ω)
出力比音量差
DC 7V1.75A5.1W×20.583-4.68dB
DC 9V2.25A8.4W×20.75-2.50dB
DC 12V3.0A15W×21±0dB
DC 15V3.75A23.4W×21.56+1.94dB
DC 16V4.0A26.5W×21.78+2.50dB
DC 17V4.25A30W×22.01+3.03dB
DC 19V4.75A37.5W×22.51+3.99dB
DC 21V5.25A45W×23.06+4.86dB
DC 24V6.0A60W×2 4.00+6.02dB

4.小型スピーカー
 近年の小型スピーカーは、YAMAHA製品を除いて、解像度に重点を置く傾向があり、能率が80〜81dB/W/mと低めのものが多い。 解像度を上げたと言っても、可聴域を超えた20kHz以上の超音波の再生範囲を広げても意味が無い。 そもそも、テスト用以外で10kHz以上の音源など見た事が無い。
 これらの製品を使用する場合、効率マイナス4dBに対してアンプ出力を2.5倍に上げなければならず、 低い許容入力内では、電源がDC 17〜21V(12V比でアンプ出力2〜3倍)に限定されてしまう。
 よって、ヤフオクで許容入力と能率が比較的高めのONKYO製中古品を3製品購入。
メーカー製品名ユニット・能率占有面積音量音質コメント
ONKYO GX-D90
(アンプ内蔵)
40W/4Ω
(W902B 15W/4.5Ω)
■■■□□●●●〇〇★★★☆☆低音も高音も出るが,低音再生時はノイズが出る
D-105M50W/6Ω・85dB/W/m
(W901C 15W/5Ω)
■■□□□●●●〇〇★★★☆☆バナナプラグ対応
低音は出ない,音はシャリシャリ感がある
D-N3X70W/5Ω・84dB/W/m
(W1270A 20W/5Ω)
■■■■□●●●●〇★★★★☆見た目のコンパクトさ以上に低音が出る
D-S7GX70W/4Ω・85dB/W/m
(W1277A 25W/3.5Ω)
■■■■■●●●●●★★★★★モニタの脇に置くには大きすぎ

各社小型スピーカーとの組合せ
メーカー製品名発売年価格
(ペア)
サイズ
(W×H×D)mm
重量
(1台)
ユニット再生周波数
(低音-クロスオーバ-高音)
能率実用出力
(DC 12V)
YAMAHA NS-10MM 1996年18,000円107×191×1401.5kg φ9cm+2.5cm40W88Hz-5kHz-33kHz88dB/2.83V/m
=86.75dB/W/m
10W×2
NS-10MMT 2003年18,000円107×191×141 75Hz-7kHz-33kHz
NS-B210 2008年13,000円105×215×1321.6kg φ8cm×2(フルレンジ)75Hz-35kHz86dB/2.83V/m
=84.75dB/W/m
DENON SC-A11R 2001年8,800円105×170×1261.1kg φ8cm+2cm80Hz-・-80kHz89dB
SC-A17 2016年25,000円110×180×1301.4kg 80Hz-4kHz-60kHz81dB/W/m
Pioneer S-LM2B-LR 2011年20,381円119×179×1621.5kg φ7.7cm+2cm100W50Hz-3kHz-40kHz81dB/2.83V/m
=79.75dB/W/m
KENWOOD LS-NA7 2016年Open102×181×1581.7kg φ8cm+1.9cm30W60Hz-2.5kHz-40kHz81dB/W/m
ONKYO D-105M 2001年16,000円120×216×1611.9kg φ9cm+2.5cm50W80Hz-3kHz-35kHz85dB/W/m
D-N3X 2002年-130×220×2162.9kg φ12cm+2.5cm70W60Hz-10kHz-35kHz84dB/W/m12W×2
D-057M 2003年10,000円101×169×1361.0kg φ8cm+2cm40W70Hz-7kHz-100kHz80dB/W/m10W×2
D-058M 2010年Open101×175×113 70Hz-9kHz-50kHz
D-109M 2012年10,000円102×175×1281.2kg 70Hz-8kHz-80kHz81dB/W/m
Fostex P802-S 2015年11,000円100×195×1301.1kg φ8cm+2cm24W150Hz-4.4kHz-40kHz80dB/W/m7.5W×2
P803-S 2016年17,300円140×243×1721.84kg70Hz-4.4kHz-40kHz
P804-S 2017年21,700円140×264×1722.33kg φ10cm+2cm60W60Hz-2.8kHz-40kHz15W×2

スピーカーケーブルの規格
AWGsq直径断面積抵抗
(1m)
許容電流
(70℃)
142.0 1.63mm2.08mm28.317A
161.251.29mm1.31mm213.212A
180.751.02mm0.82mm220.97A
200.5 0.81mm0.52mm233.35A
AWG18 1.8m 使用時の出力の低下は、6Ωスピーカーで 1-{6Ω/(6Ω+20.94mΩ*1.8m*往復)}2=2.47%=0.11dB。

5.システム構成
製品名購入価格(送料含む) 製品名購入価格(送料含む)
デジタルアンプ Wuzhi Audio ZK-1002 2,298円 (Amazon.jp) Wuzhi Audio ZK-1002
Wuzhi Audio ZK-502C
1,283円
1,069円
(Banggood)
ACアダプター Buffalo WA-36A12U(DC 12V,3A)0円(流用品) Buffalo WA-36A12U(DC 12V,3A)519円(ヤフオク)
スピーカー ONKYO D-N3X(5Ω,70W)760円(ヤフオク) ONKYO D-105M(6Ω,50W)1,260円(ヤフオク)
SPケーブル AWG18/0.75sq 1.8m×2 OFC AWG16/1.25sq 1.5m×2 OFC340円(yodobashi)
補修費用 吸音材(レンジフードフィルター)110円(キャンドゥ) --
SP脚マット コルクシート 30×30mm 8枚55円(ダイソー) コルクシート 30×30mm 8枚55円(ダイソー)
AUXケーブル ステレオミニ 1.0m110円(ダイソー) ステレオミニ 1.0m110円(ダイソー)
合計 3,333円 3,567円
[納期] Amazon.jp:注文から到着まで1日, Banggood.cn:注文から到着まで12〜14日(国際郵便)

 D-N3Xは、偶然にも最寄駅から同方向の人から落札し、自転車で家の近くまで届けてくれました。吸音材のウレタンスポンジは加水分解してベタベタボロボロになっていたので取り出し、代わりにレンジフードフィルターを挿入。
 ZK-502Cは、一か月ほど使用した後に、強く抑え付け固定したヒートシンクを貼り換えようとして、TPA3116D2チップの足を基板から剥離してしまいました。ZK-502Cは音質とヒートシンクに不満があった為、シェル無し版を再購入ぜずに、ZK-1002に買い換え。タイミング良く特価セール中で、通常時より200円ほど安く買えました。

 D-N3X,D-105M,GX-D90の3製品を使用して、最大音量で80Hz,100Hzの正弦波を連続再生時の大きいほうの電流は、テスター読みで2.4〜2.7Aの範囲でした。ピーク電流は3Aを少し超えるようです。

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